TNRという活動をご存じですか?
これはTrap–neuter–returnの略で、アメリカの動物虐待防止協会が始めた運動です。
具体的にどういったことをするかというと、地域に不幸な野良猫を増やさないための活動として、エサやトイレの掃除、不妊手術をすることによって繁殖を抑制するなどしています。
これらは「地域猫活動」ともいわれ、最近は日本でも様々な地域で活動が活発化しています。
地域猫活動TNRのTNRとは?
地域猫活動はアメリカ発ですが、Trap–Neuter–Returnの頭文字を取ってTNRと名付けられています。
ではこのTNRはそれぞれどんあ意味を持つのでしょうか?
Trap:つかまえる
最初のTは『Trap』つまり捕まえるという意味です。
まずは猫がケガをしないように捕獲器を使って猫を捕まえます。
Neuter:不妊手術を施す
捕獲した猫に避妊・去勢手術をすることで、野良猫の数を減らしていくことが可能になります。
「不妊手術なんてかわいそう」と思うかもしれませんが、猫は他の動物に比べても繁殖力が非常に高く、野良猫を放置しておくとものすごく増えてしまい、様々なトラブルに巻き込まれたり、人間も猫も不幸になってしまう可能性があるのです。
こんな記事も書いてます
全ての猫を数える取り組みが海外で話題!ワシントン市が行う猫の国勢調査不妊手術をした猫は、手術のときに耳カットを行います。これにより何度も手術されてしまうといったトラブルが避けられます。
Return:元に戻す
手術が終わった猫にはエサを与えて、健康診断などをした後、元の場所に戻してあげます。
その後は『地域猫』として一生を全うできるように見守ってあげます。
TNRは『飼い主のいない猫』に関わる苦情や殺処分の減少へと寄与する活動なんですね。
引用:さくらねこTNR
不妊手術はかわいそうなの?
猫は自由気ままな生き物です。
そんな猫ちゃんに対して無理矢理不妊手術をするのはかわいそうという意見もあります。
しかし「かわいそうだから」と野良猫にエサを与えることは、逆にかわいそうな野良猫を増やすことになってしまいます。
猫はとても繁殖力が高い動物なので、1頭のメス猫で年2~3回、1回あたり3~5匹もの子猫を産みます。さらに猫は生後4~5ヶ月で生殖能力を持つことができるため、いわゆるねずみ算式に頭数が増えてしまうのです。
日本で殺処分されている動物の約8割が猫です(1年間に7万9千頭!)。ですので野良猫自体の数を減らさなければ、世界中で殺処分がなくなることはありません。
TNRは猫の殺処分数を減らすために最も有効な手段だと考えられています。
地域猫の取り組みを応援しよう
『地域猫活動』の取り組みは徐々に広がっています。
しかし活動自体の負担が大きいことや、すべての人が「猫好き」とは限らないことから、様々なトラブルや課題が多いのも確かです。
だからといって誰かがやらなければなりません。
地域猫活動が行わなければ、野良猫による地域住人とのトラブルや殺処分の増加など、猫にとっても人間にとっても不幸な結果となってしまうのです。
ぜひこの機会に『地域猫活動』を理解し、猫ちゃんを守るための活動に理解を深めてあげてくださいね。
参考 さくらねこ♥TNRとはどうぶつ基金