猫のトイレ掃除の際に血便に気付くケースが多いです。
便に少しでも血がついていると病気かもしれないと不安になってしまいます。
そこで、猫の血便の原因と対処方法について調べました。
【猫が血便を起こす原因】
血便を起こす原因として大きく4つ挙げられます。
1つ目は「胃腸炎」です。胃から腸にかけての粘膜が炎症し、嘔吐や下痢、血便などの症状が見られ、悪化すると下痢の症状が重くなり血が混じることがあります。
2つ目は「猫パルボウイルス感染症」です。
パルボウイルスによって引き起こされる病気で、重度になると血液が混じった下痢が見られます。
3つ目は「トキソプラズマ症」です。
トキソプラズマという寄生虫によって感染する病気で、主な症状として血便が挙げられます。
4つ目は「鉤虫症」です。
鉤虫という白い寄生虫が腸内に寄生することで発症する病気で、症状の1つに血便が挙げられます。
また、熱中症が悪化すると血便の症状が出ることがあり、特に子猫や高齢の猫は熱中症を引き起こしやすく悪化しやすいので注意が必要です。
【どこから出血したのこを推測する方法】
猫に血便が確認できた場合、色や血の付き方で体のどこから出血したのかを推測できます。
まず、便に血が混じっている場合は小腸や大腸の前半での出血が予測できます。
便の外側に鮮明な赤い血がついている場合は大腸の後半から肛門での出血が予測できます。
また、便全体が黒い場合は肛門から離れた場所や小腸あたりでの出血が予想でき、全体的に赤い下痢をしている場合は胃や腸が炎症を起こす胃腸炎にかかっている可能性があり、胃腸炎が原因で出血していることが予測できます。
【血便が確認できた場合にどのように対処したら良いのか?】
血便と同時に起こる症状として下痢、嘔吐、腹痛、食欲不振、貧血、発熱を同時に引き起こしているケースが多く、鳴き声が弱かったり、身体を丸めてジッとしていたりと血便が出ている際は猫がいつも違う様子だと感じるサインを出します。
なので、血便の他に出ている症状やどのような血便が出ているのか、硬さや色をチェックします。
血便が出るということは感染症や胃腸炎にかかっている可能性が高く、重症になれば命にかかわることもあるので、自己判断をせず動物病院を受診して検査を受けることをおススメします。
【エサが合わなくて血便が出ることもある?】
血便は感染症や胃腸炎などの病気ではなく、キャットフードの成分で血便を引き起こしてしまうこともあります。
キャットフードに含まれている添加物、アレルゲン、食物繊維、脂質が特に多かったりするとエサが合わず血便が出るケースがあります。
キャットフードの成分を見直すだけで血便が改善できます。
【猫の血便に対してどのような治療が行われるのか?】
治療方法は原因によっても異なります。
胃腸炎が原因の場合は下痢と嘔吐を止めるために整腸剤や吐き気止めの投与と輸液療法を行います。
胃腸を休めるために絶食が必要となり、消化しやすい処方食を少しずつこまめに与えて胃腸の回復を目指します。
猫パルボウイルスが原因の場合は輸液療法や抗生物質の投与を行います。
トキソプラズマが原因の場合は抗菌薬を使って治療を行ったり、下痢や発熱の症状を止めるため整腸剤や解熱剤を使った治療を行います。
鉤虫症が原因の場合は駆虫薬を投与して治療を行い、貧血や下痢による脱水症状が見られる時は輸血や輸液療法で治療を行います。
【猫の血便を予防するには?】
血便を引き起こすリスクを低くするには普段からの予防が大切です。
まずは規則正しい生活と適量の食事です。
人間の食事を安易に与えることをせず、食べ過ぎには注意して適量を心がけます。
血便は下痢や嘔吐を経由するケースが殆どなので、普段から消化の良い食事を心がけましょう。
猫の消化を阻害してしまうといわれる穀物を使っていないキャットフードにしたり、肉材料が豊富なキャットフードは猫とって消化しやすく胃腸への負担も少なくておススメの食事です。
そして、トイレや部屋は常に清潔に保ちます。
また、パルボウイルスはワクチンを接種することで予防できるので、年に1回予防接種を受けておくことをおススメします。
猫の飼育環境を完全室内で行うことも血便のリスクを減らします。
外にはさまざまなウイルスや細菌、寄生虫による感染リスクが高いので、飼育は完全室内をおススメします。
誤飲や誤食に気を付けることも予防につながります。
ヒモやボタン、画鋲などをうっかり口にしてしまいそれによって血便を引き起こしてしまったケースもあります。
物を多く置いたり、散らかさないようにすることが大切です。
留守にする場合はケージの中に入れることで誤飲や誤食の予防になります。
猫の口の中に入ってしまいそうなサイズのものは出しっぱなしにしないようにします。
もし、血便が確認された場合はできるだけ早く採取し、ラップやアルミホイルで包んで水分を保ち、量や形状も確認してもらうために出来れば全部採取し、血便以外の症状が無いかを排便後すぐに病院へ持って行くのがベストです。
血便の状態をすぐに獣医にチェックしてもらうことで早期回復につながります。
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