あなたの猫ちゃんに名前はありますか?(もちろんありますよね!)
猫は犬と比べて学習能力が劣るとされ、猫に何かをするように促す(たとえば芸をさせるとか)のは難しいとされています。
猫でも時間をかければ芸を覚えさせることは不可能ではないのですが、犬ほどにはスムーズにいかないようです。
ですので、猫に『自分の名前』を覚えさせる場合は少し工夫が必要になります。
猫は高音の音を認識しやすい
猫は狩猟することで生きながらえてきた動物です。
そのため、猫の耳は獲物である鳥やネズミなどの齧歯類が発する高い周波数の音(人間には聞こえないレベル)に特に反応するように進化しています。
そのことから猫にとっては高音で終わる名前の方が聞き取りやすいとされています。
⬇️英語ですが、アメリカの獣医師ウリ・バースティン博士の動画がわかりやすいです。
どちらかというと男性よりも女性の声に反応し、名前の音節が短く濁音(ガ行、ダ行、ザ行)を含んだ名前が聞き取りやすいと言われています。
アニコム損害保険株式会社が発表している『猫の名前ランキング2018』でいえば、5位の「ムギ」が該当しますね。
猫の名前ランキング2018(1位〜6位)
引用元:アニコム損害保険
他にも「チビ」「ジジ」なども濁音を含んで短い名前ですね。濁音が難しければ半濁音(パピプペポ)でもよいと思います。
上の動画によると、要は少し声が裏返るような響きのスッキリ短い名前が良いということですね。
海外のサイトですが、猫の名前ジェネレータなんてものも存在します。
猫の名前ランキング
猫の名前ジェネレータ(英語)
猫に名前を覚えさせる方法
では具体的にどうやって猫に自分の名前を覚えさせたら良いのでしょうか?(呼ばれたら反応してくれるように)
ここでは大事なポイントをお伝えしていきます。
1.子猫の頃から覚えさせる
子猫の方が自分の名前を覚えるスピードは早いです。名前を付けてあげたら積極的に名前を呼んであげましょう。
高齢の猫だからといって覚えることができないわけではないですが、そのスピードは遅いです。高齢猫の場合は【項目2】を参考にして、何かしらの動機づけと一緒に行うようにしましょう。
また叱ったりするときに猫の名前を呼ぶと、その音を恐怖の対象として覚えてしまうので(ついつい呼んでしまいますが)猫を怒るときは『コラ!』とか『ダメ!』など別の言葉を使うように気をつけましょう。
2.名前を呼ぶときに何かしら報酬を与える
猫に何かを覚えさせる場合、犬と同様『報酬を与えてあげること』が重要です。
エサやおやつなどは最も効果的ですが、耳の後ろをなでてあげたり、その猫ちゃんが喜ぶ行為をしてあげるのも効果的です。
エサを与えて覚えさせる場合は、猫に近づいて名前を呼び小さい食べ物を与えます。大事なのはその後、一度猫から離れて同じ事を3回ほど繰り返すことです。
そういった作業を繰り返すことで、報酬を与えなくても猫が名前に反応してくれるようになります。
3.話しかけるときにはできるだけ名前を呼ぶ
犬は「人間を喜ばせたい」という社会的な一面があるので、積極的に人間の求めるものに応じようと努力しますが、残念ながら猫にはそういった習性はありません。
そのため報酬を与えたり、呼びかける際にできるだけ名前を呼ぶなど、時間をかけて忍耐強く猫に覚えさせる必要があります。
猫がある程度名前を覚えてくれたなと感じたら、少し離れたところから呼んでみましょう。
無反応なように見えても、耳や尻尾が動くようならそれは『呼び声に反応している印』です。
4.家族みんなでルールを共有する
家族と同居している場合、猫の名前を呼ぶのが自分ひとりだけだとあまり意味がないので、家族のみんなが上記のルールを共有する必要があります。
誰もが同じ名前で呼ぶことで、猫もそれが自分に対して向けられているのだと理解するきっかけとなります。
参考(海外文献):How to Teach a Cat to Recognize Its Name
猫は実は飼い主の声をしっかり認識できている
いままでの記事を読んでいると、じゃあ猫ちゃんは「ちょっとおバカで自分の名前や飼い主が誰かを判断できないの?」と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。
犬は長い歴史のなかで人間と共同生活してきたことが遺伝子にも組み込まれていて、人間の声や命令を理解して反応するという行為がより自然にできるという特性があります。
猫は単独で狩りをしながら生きる習性を持っていることから、他の生き物を頼ったりグループで行動する必要がないので、仲間からのコミュニケーションの声を判別する必要がありませんでした。
ですので猫が犬と比べておバカというよりは、捕食する以外で何かの音を聞いてコミュニケーションを取る必要がなかったということが正解に近いと言えます。
その裏付けとして、実は猫は飼い主の声をしっかり認識できているという研究結果があります。
日本の学者が行った『猫は飼い主の声を認識できるか?』という研究では、実験のために集められた20匹の猫のうち、15匹が自分の飼い主の声を判別(鳴く、耳や尻尾を動かすなど)したとのことです。
参考(海外文献):Vocal recognition of owners by domestic cats (Felis catus)
今回飼い主の声に反応した15匹の猫と反応しなかった5匹の猫を比べてみたところ、反応した15匹の猫は飼い主と接している時間が長く、よく飼い慣らされていたそうです。
そのことからも、「猫がおバカで飼い主の声を理解できない」ということよりも、「何かしらの動機づけがない限り、飼い主の声に反応する気持ちがない」という方が正解なのかもしれませんね。
ねこ